森のくまさん
出会った
side:熊
イヤリングを片手に彼女を追いかけた
でも、そのせいで彼女を怖がらせてしまったらしい
目の前にいる彼女の目にはうっすら涙が滲んでいた
「…落とし物だよ」
そう言って俺はイヤリングを差し出す
彼女はゆっくり手を伸ばしてくる
でも、その手はイヤリングではなく俺に触れてきた
そっと、ララの手が俺の頬に触れる
「ムツキ…」
「あの…ララ?」
困惑する俺を無視してララはもっと距離を縮めてきた
ララが、俺に抱きついてきた
「ムツキ…会いたかった…」
ララの言葉に俺の心臓が激しく反応する
俺の胸に顔を寄せているララにはきっと聞こえていると思う
もう、気持ちを隠せない…