終わらないセピア
目を大きく見開いてあたしを見る
眼差し。
目が泳いでるよ、モカ。
もしもしていないのなら、
モカの体を傷つけたその男を潰すよ…?
『アハ。たまーにしたり、しなかった
り?しなきゃダメだよね』
誰も居ない放課後の教室。
ダンッ!と音がしたのはあたしが
モカを壁に押し付けたから。
『痛っ…!』という声も歪んだ顔も
今のあたしには後回し。
『モカ?あんた女なんだよ?軽い気持
ちでやったことが、取り返しのつか
ないことになるかもしれないって何
でわかんないのよ!』
飛び出した言葉たちは次第にモカの
涙に姿を変えていく。
『泣いたって何も変わんないよ!
自分の体、自分で守んなきゃ……』