終わらないセピア
残りの授業も受けずにあたしは今、
全力で駆け抜けてモカの家の前に居る。
白いカーテンが閉まったままの部屋を
見上げ、ゆっくりとインターホンを
鳴らした。
乱れた呼吸を必死に整えていると
“はい……”と小さな声がインターホン
から聞こえた。
『モカ………』
名前を呼んだところで頭の中が
真っ白になった。
次に続く言葉が見つからない。
あたしの伝えたいことは何……!?
とにかく、謝らなきゃ……!
『モカ…あたし…!』
バン!と大きくドアを開ける音と共に
視界に映るモカの顔。
もうすでに泣いている……。
見つめ合ったら余計泣けてきて………