終わらないセピア



『もういいの…。ミッちゃんをそうさせ
 たのはきっとあたしだから。謝るの
 はこのあたし』



何もかも悟ったかのような眼差しに
少し面食らう。
ニッコリ泣き笑い浮かべて、
あたしの手を引きながら家に入る。



久しぶりに訪れたモカの部屋。
白で統一された空間にほのかに香る
甘い匂い。



慌てて鼻をかんだティッシュの山を
処分する姿には笑えたけど
やっぱりあたしの帰るべき場所は
ここなんだって改めて思う。



『座ってて』と言って部屋を出て行く
モカ。
ベットにもたれて座り、顔をうずめる。



ずっと泣いてたの…?
誰のために?
あたしのため…?



どうしよう……
抑えきれない衝動が全身を襲う。
あたしはあたしで居られるだろうか……







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