終わらないセピア



『うん……』



『実はあたしも…知ってて告白したの。
 少しでも繋がっていたくて…“彼女”
 になりたくて……必死だった気がする』



顔を少し向けると、モカの前髪が
鼻をかすめる。
黙ったまま、次の言葉を待った。



『いつか振り向いてくれんじゃないか
 って淡い期待抱いて…待ってみたけ
 ど無理だった。バカだよね…あたし。
 どんどん辛くなって苦しかった』



また涙ぐむモカにそっとティッシュを
差し出す。
チーンと鼻をかむ姿がとても可愛く
思える。



『ミッちゃんが怒鳴ってくれたこと、
 ホントは嬉しかったよ。それなのに
 気付いたら違うことばっか口走って
 て、認めたくなくて…素直になれな
 かったんだ』







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