終わらないセピア
『ミッちゃん………?』
愛しい唇からこぼれたあたしの名前。
キョトンとした表情で見上げる顔は
今までと何ら変わりはないいつもの
モカだ。
一瞬魅せたあの誘惑の目は
自分の高ぶった想いから見えた
モノなのか。
『……ごめん』
慌てて体を起こし乱れた髪を整える。
止めてくれないと危ないとこだった。
ゆっくりとモカも体を起こして
少しの沈黙が流れた後。
チラッと見てみるとモカは俯いたまま、
膝の上でギュッと手を握っている。
『モカ………?』
ビクッと反応した体はぎこちない。