終わらないセピア



グイグイ押し迫る華奢な体。
見た目はか弱そうな女の子なのに、
今はまるで野獣のごとく
あたしを押し倒そうとしている。



後ずさりした体勢が力尽きて
寝そべってしまう。
ゆっくりと上にまたがり顔の
すぐ横に手をついたモカ。



完全に逃げ場を失った。



モカの長い髪が頬に当たる。



『ミッちゃん可愛い。緊張してるの
 ………?』



挑発的な目は、
あたしの心と体を弄ぶ。



何も言えない。
言葉が見つからない。
この状況は完全に自分のキャパを
超えている。
あたしは……どうすればいい?







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