終わらないセピア
『ミッちゃん…』
消え入りそうな声で呼ばれ我に返る。
絡めた指の力を少し緩めたら
今度はモカの方から強く握りしめてきた
………!?
『ミッちゃん…ゴメンね?あたしのせい
で怒ってんだよね』
その不安がる顔も、後ろめたさが
あるからなの…?
どんどん醜くなるよ…あたし。
握り返したその手を、
モカはそのまま自分の頬につけた。
優しい体温が伝わるだけで
胸がいっぱいになる。
あたしだけのモノになればいい……
あたしの腕の中だけで
めちゃくちゃになればいいの……
『あたしはミッちゃんしか要らないよ…
信じて?』
少し強引だけど重ねた唇にモカは
応えてくれる。