レンタル彼氏Ⅲ【完結】
「そう、イロ。
キャバ嬢に恋人と思わせて、働かせること。
俺の場合、ナンバーに入ってる子二人のイロしてたの。
暫く続けてたら、小母さんにバレてさ、店長のとことかに転がり込んだのはいいけど…店長に捨てられた」


「………」


ぎゅっと、伊織が手を強く握る。
今でも、思い出すのが苦しいことなのかもしれない。


「店長と、ナンバーワンは出来てたのね。
俺がいる所為で、店長を独り占めできないから俺を捨てたってわけ」


「何、それ…」


「笑っちゃうだろ?
そのナンバーワンが夜の世界に引きずり込んだのにね」


「………」


このことが起こってるのは、中学生の時なんだよね?

なんか、信じられない。
嘘みたいな話。


本当に、こんなことがあるんだ。
現実に。


「それから、行くとこがなかった俺は鈴恵さんとこに行った。
そこで住むつもりだったのに、俺の本当の母親が俺を引き取りたいって言ってきた」


「伊織の…」


お母さん?
本当の…?
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