レンタル彼氏Ⅲ【完結】
病室へと移動した泉は、まだ眠っていた。
両親は妊娠していたことに動揺を隠せないようだった。
時折、母親が俺を睨むように見ていたから。
ベッドで眠る泉は、今朝と何も変わらないように見える。
決定的に違うのは、泉はもう妊娠していないこと。
見た目からは何もわからないけれど。
「……泉、無事でよかったけど…手放しで喜べないね」
和がそう呟いた。
それは皆も思ったのか、誰も何も言わなかった。
泉が無事だったのだから、笑顔になるはずなのに。
この病室は、酷く空気が重かった。
俺は泉がいてくれたら。
そう、思ってたけど。
俺と泉の子供なら、話は別だろ……?
どうして、どうして…。
もっと早く知ってたら。
「………泉」
母親や、父親が泉の横に座っている。
その後ろから俺は愛しい人の名前を呼ぶ。
触れたいけど、触れられない。
さっき、触ろうとしたら母親に触るなと叫ばれたからだ。
…ごめんな、ごめん。
俺は泉を守れなかった。
皆が泉に夢中になってる中。
俺はそっと病室を後にした。
両親は妊娠していたことに動揺を隠せないようだった。
時折、母親が俺を睨むように見ていたから。
ベッドで眠る泉は、今朝と何も変わらないように見える。
決定的に違うのは、泉はもう妊娠していないこと。
見た目からは何もわからないけれど。
「……泉、無事でよかったけど…手放しで喜べないね」
和がそう呟いた。
それは皆も思ったのか、誰も何も言わなかった。
泉が無事だったのだから、笑顔になるはずなのに。
この病室は、酷く空気が重かった。
俺は泉がいてくれたら。
そう、思ってたけど。
俺と泉の子供なら、話は別だろ……?
どうして、どうして…。
もっと早く知ってたら。
「………泉」
母親や、父親が泉の横に座っている。
その後ろから俺は愛しい人の名前を呼ぶ。
触れたいけど、触れられない。
さっき、触ろうとしたら母親に触るなと叫ばれたからだ。
…ごめんな、ごめん。
俺は泉を守れなかった。
皆が泉に夢中になってる中。
俺はそっと病室を後にした。