レンタル彼氏Ⅲ【完結】
その後を追う父親は、病室を出る前一度立ち止まるとくるっと伊織の方を見た。
「…伊織君」
それに俺も涙でぐちゃぐちゃの顔で、父親を見た。
「……娘は、泉は…最近明るかったんだ。
いいことでもあったんだろうと母さんとも言ってたが……君だったんだね」
「…………ふっ、う、く」
「母さんも泉のことを思っての態度なんだ。許してくれ」
それに俺はぶんぶんと首を振る。
だって、怒ったって仕方がない内容だ。
「…私は…泉が選んだ人ならいいと思っているから」
「…………はい!!」
力強く返事する俺に、ふふっと笑ってから泉の父親は病室を出ていった。
「…お父さん」
泉がぽつりと呟く。
「あー、ほら邪魔者出ていった出ていったー!」
それに和が皆を押し出しながら言った。
最後に、扉を閉める間際。
泉と俺にウインクをして。
「……和ったら…」
楽しそうにそう言う泉を、俺はただ見つめる。
「………泉」
「伊織、おいで」
それに素直に従って、俺は泉の目の前に行く。
それから泉の体を優しく抱き締めた。
「…伊織君」
それに俺も涙でぐちゃぐちゃの顔で、父親を見た。
「……娘は、泉は…最近明るかったんだ。
いいことでもあったんだろうと母さんとも言ってたが……君だったんだね」
「…………ふっ、う、く」
「母さんも泉のことを思っての態度なんだ。許してくれ」
それに俺はぶんぶんと首を振る。
だって、怒ったって仕方がない内容だ。
「…私は…泉が選んだ人ならいいと思っているから」
「…………はい!!」
力強く返事する俺に、ふふっと笑ってから泉の父親は病室を出ていった。
「…お父さん」
泉がぽつりと呟く。
「あー、ほら邪魔者出ていった出ていったー!」
それに和が皆を押し出しながら言った。
最後に、扉を閉める間際。
泉と俺にウインクをして。
「……和ったら…」
楽しそうにそう言う泉を、俺はただ見つめる。
「………泉」
「伊織、おいで」
それに素直に従って、俺は泉の目の前に行く。
それから泉の体を優しく抱き締めた。