レンタル彼氏Ⅲ【完結】
見送った後、私は早速康博さんに言われた通り康博さんの書斎の机まで向かう。


一番上の引き出しに印鑑が入っていた気がする。
そう思いながら私は引き出しを開けた。

だけど、入っていない。

あれ?
おかしいな。



「どこだろう」


なんて独り言を呟きながら私は次の引き出しに手をかける。



開けたと同時に。


思わず私は手で顔を覆っていた。






そこにあったのは。





康博さんの名前が入った婚姻届と。





婚約指輪。





「…っ、………」



何よ、これ。

康博さん、サプライズとかする人だった?



普段そんなことしないから、余計私の涙腺を刺激する。

じわじわと涙が出てきて、恐る恐る私は指輪に手を伸ばす。



ああ、もう。



小さなその箱を開けると、中に入っていたのは大きなダイヤがついた指輪。
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