レンタル彼氏Ⅲ【完結】
「…俺、裁かれてないけど犯罪者なんだよ?」


泉にそう言って。


俺はなんて言われたいのだろうか。





どうして。


どうして………



皆俺を責めないの?





「うん、だって、伊織が好きなんだ私。
それ以外の理由って…必要かな」



何で。

泉の言葉はこうも、心に響くの?

何で。

俺の全てを受け入れてくれるの?




「…っ、ふ」


堪え切れないほどの涙を流しながら、俺は顔を歪めた。


泉は俺を優しく優しく抱きしめて。

鈴恵さんがしてくれたように。


何度も何度も。
落ち着かせるようにゆっくりと背中を摩った。



ああ、泉はきっと。


ジャーナリストなんかより、鈴恵さんみたいな生き方がお似合いなんだ。


誰からも愛される泉なら。



俺が鈴恵さんを心から信頼してたように。

きっと、泉のことを心から支えにする奴が必ず出てくる。



俺は。



俺は。

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