レンタル彼氏Ⅲ【完結】
慌てて職場に向かう伊織を見送った私は、暫くその場で呆けていた。
手の平にある、合鍵をただ見つめて。
「………夢、じゃないよね…?」
誰も聞いてないのはわかってるが、言わずにはいられなかった。
再会した翌日に、伊織の部屋の合鍵を貰えるだなんて誰が思うのだろうか。
……玉子サンド好きだなんて伊織、可愛いな。
何も知らない私は呑気にそんなことを思った。
伊織の過去。
知りたい、けど。
伊織は本当に言いたいのだろうか。
聖の過去を聞いて、私は何度も涙した。
父親が、母親を殺してしまった過去だなんて。
忌々しい以外のなにものでもない。
……ただ、もし。
伊織が私を信頼して、話をしたいと言う理由ならば。
ただ、受け入れるだけだ。
もう、二度と伊織を拒まない。
何もかも言うことを聞くとか、そういうことではなくて。
伊織の存在を否定しない。
もう、二度と同じ過ちは犯せないから。
手の平にある、合鍵をただ見つめて。
「………夢、じゃないよね…?」
誰も聞いてないのはわかってるが、言わずにはいられなかった。
再会した翌日に、伊織の部屋の合鍵を貰えるだなんて誰が思うのだろうか。
……玉子サンド好きだなんて伊織、可愛いな。
何も知らない私は呑気にそんなことを思った。
伊織の過去。
知りたい、けど。
伊織は本当に言いたいのだろうか。
聖の過去を聞いて、私は何度も涙した。
父親が、母親を殺してしまった過去だなんて。
忌々しい以外のなにものでもない。
……ただ、もし。
伊織が私を信頼して、話をしたいと言う理由ならば。
ただ、受け入れるだけだ。
もう、二度と伊織を拒まない。
何もかも言うことを聞くとか、そういうことではなくて。
伊織の存在を否定しない。
もう、二度と同じ過ちは犯せないから。