レンタル彼氏Ⅲ【完結】
「それにしても、今日発売って知らなかったのにタイミングよすぎだよね」


「全くです!
羨ましいですよ」


「あ~あ、俺一番欲しかったのに」


「いや、吃驚ですよ。
まさか、哲さんに話してるなんて」


「だって、絶対欲しかったからわざわざ電話かけたんだもん。しかもここに一番入れてくれって」


「え」


その聖の言葉に間の抜けた声を出す。


ちょっと、そこまでして欲しかった一番を私が買ってしまったわけ…?


「ご、ごめん、聖…」


肩を落とす聖に、慌てて謝ると聖は私をじろっと見た。
それにびくっとする。


「………………」


「…………」


沈黙が怖い…。

ビクビクしながら聖を見る。


が、次の瞬間。



「あはははっ」


口を大きく開けて、聖が笑っていた。


何がなんだか、私も木村さんもわかってなくて茫然と聖を見つめる。


ひとしきり聖は笑った後、私を見ると

「全然いいから!
最初から確実に買えるかわからないの知ってたし、それにいずちゃんならいいよ」


「ほ、本当?」
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