レンタル彼氏Ⅲ【完結】
「…まあ、そうだけど好きでいたのは泉だよ。
泉は意外と頑固だからね」


「そうかなあ」


「うん、絶対発言撤回しないとことかそうじゃん」


「えー、ないよ、そんなこと」


「そう?」



それからまた和がアップルパイを口にした。

話してから大分経ったから、もう熱くないはず。



「てか、聖自業自得だね」


「…………」



和の真っ直ぐで、素直な言葉に言葉が詰まる。
でも、本当そうなんだ。



聖が言っていた“因果応報”確かにそうなんだ。



それを私も伊織も、これから感じるのだから。




それはまだ少し先の話だけど。



「伊織と会えなかったら、聖と付き合ってたかも」


「はあ?何言ってんの」


「和は知らないけど、聖意外といい奴なんだよ」


「私は泉を悲しませる奴皆敵!伊織も会ったら文句言うから」


「ふふっ、和なら言いそう」


「当たり前じゃん、六年何してたんだと切れてやんの!」



和なら本当に伊織と会わせたら文句言うだろう。

今までも和はずっとそうだった。

いつも私を守ってくれたんだ。
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