レンタル彼氏Ⅲ【完結】
「伊織っ」
靴を脱いで、伊織がいる部屋まで向かう。
伊織は頭だけ、こっちに向けると私を見て口角をゆっくりと上げた。
「お帰り」
「…っ…」
お帰りって、何それ。
なんか、同棲してるみたいじゃん。
胸にずぎゅんときたよ。
「どうしたの、こっちおいでよ」
立ちつくす私を伊織が呼ぶ。
私はそろりと伊織の隣へ腰をおろした。
座った瞬間、伊織は私の肩を抱き寄せる。
「会いたかった」
それは。
私の台詞だよ。
「泉に会えないと、会えたことが幻だったんじゃないかって思ってしまう」
伊織は優しく、何度も私の髪の毛を撫でるとそう言う。
「…だから、泉が来てくれたことが本当に嬉しい」
きゅうきゅうと、胸が締め付けられる。
何度も何度も自問自答したに違いない。
あれは、夢だったのか。
あれは、現実だったのか。
でも。
でもね、伊織。
「私は幻じゃないよ」
真っ直ぐに伊織の瞳を見て言う。
「抱きしめられるでしょ?触れられるでしょ?」
「……うん」
靴を脱いで、伊織がいる部屋まで向かう。
伊織は頭だけ、こっちに向けると私を見て口角をゆっくりと上げた。
「お帰り」
「…っ…」
お帰りって、何それ。
なんか、同棲してるみたいじゃん。
胸にずぎゅんときたよ。
「どうしたの、こっちおいでよ」
立ちつくす私を伊織が呼ぶ。
私はそろりと伊織の隣へ腰をおろした。
座った瞬間、伊織は私の肩を抱き寄せる。
「会いたかった」
それは。
私の台詞だよ。
「泉に会えないと、会えたことが幻だったんじゃないかって思ってしまう」
伊織は優しく、何度も私の髪の毛を撫でるとそう言う。
「…だから、泉が来てくれたことが本当に嬉しい」
きゅうきゅうと、胸が締め付けられる。
何度も何度も自問自答したに違いない。
あれは、夢だったのか。
あれは、現実だったのか。
でも。
でもね、伊織。
「私は幻じゃないよ」
真っ直ぐに伊織の瞳を見て言う。
「抱きしめられるでしょ?触れられるでしょ?」
「……うん」