黒木健蔵の冒険
「ばあさまのお陰で、わしの人生は、本当に良い人生だった」
「おばあ様は、亡くなった今でも、おじい様に、これだけ思われて、本当にお幸せだと思います。
でも、そろそろ、おじい様自身も前向きに、生きていかなくては、おばあ様も心配されますわ」
「……里奈、正直、わしは、もう、いつ、みゆきの所に逝ってもよいと思うとるんじゃ。この先、5年、10年生きたところで、みゆきがいなくては、なんの意味もない」
健蔵は、今までに見たこともないような弱気な表情で、里奈をみつめた。
「おばあ様は、亡くなった今でも、おじい様に、これだけ思われて、本当にお幸せだと思います。
でも、そろそろ、おじい様自身も前向きに、生きていかなくては、おばあ様も心配されますわ」
「……里奈、正直、わしは、もう、いつ、みゆきの所に逝ってもよいと思うとるんじゃ。この先、5年、10年生きたところで、みゆきがいなくては、なんの意味もない」
健蔵は、今までに見たこともないような弱気な表情で、里奈をみつめた。