-smile-【短編集】
natural*smile

あぁ女神様!

体育館にシューズの音が響く中、あーもうダメかなと諦めモード突入の自分がいる。





只今、彼氏のバスケの試合を観戦中。







でも1点差で負けてて、








残り時間は1分で。






最初は盛り上がってた友達も、口数が少なくなっていく。






こんな時、あの『勝利の女神様』が微笑んでくれたら・・・






あぁ女神様!どうか微笑んで!





ちらっと目を開けると追い抜く見込みナシ。






あーあ、もうだめだぁ。






俯き気味になって(でも、やっぱり彼を目で追って)た、その時、








「あ!ちょっとあんた!彼氏さんシュート入れたよ!!!」






『うそ・・・入れたぁ!!!』






彼はこっちを向いて








太陽みたいに、笑った。














口を、「今の見てた?」と動かす。






大きく頷く、あたし。






そして、思いっきり手を振る。






彼も返してくれて、







あたしも自然と笑顔になる。







その後、またうちの部員がシュートを入れて







見事に、逆転。








別に、同点で終わったって







あたしは彼の、嬉しそうな笑顔だけで







よかったんだけど、ね。





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