【短編】卒業ストーリー
ぞろぞろとみんなで教室に戻り
仕度をした。
「ふみ。」
梓の声がする方を見るとガッツポーズをしていた。
「ふみ、乗り遅れるよ?先輩の教室で待ってるくらいのいきおいで行かないとっ!」
梓がいつもの穏やかな笑い方をした。
「梓も。中田くん、帰っちゃうよ?」
と小声で中田くんの方を指差した。
ふふっと梓は静かに笑うと
「じゃっ!お互い頑張ろっ」
と言って中田くんの方を見た。
―私も行かなきゃ。