【短編】卒業ストーリー
さすがにクラスの前は気が引けたから、
下駄箱の前あたりで待つことにした。
もう、美奈や他のファンが待っていた。
その子達からちょっと離れる感じで待った。
「圭弥先輩、まだかなあ?」
「最後だもんねっふられる覚悟で告るっ!」
さまざまな声が聞こえる。
みんな私と同じくらい、緊張してるんだ。
そう考えると気がちょっと楽になった。
ボーッと空を見ていた。
雲ひとつなくて、涼しかった。
するとファンの子達が騒ぎ始めた。
―来たんだ・・・。