【短編】卒業ストーリー
梓の言うとおりだった。
私は告白の結果を聞くのが怖いだけ。
美奈がライバルだとか、ファンがたくさんいるとか・・・
全部いいわけにすぎなかった。
結局逃げてるだけ。
「ね、告白が無理ならさ、せめてボタンだけでも貰ったらどう?」
また梓がのぞきこむ。
「そうだねえ。ボタンくらい、思い出にもらっておこうかな。」
そういうと梓は嬉しそうに笑った。
「うちに出来ることあったら何でも言ってよ!
ま、最後は自分の勇気だけどねっ」
何にもおもしろくなかったけど
ふたりで声をあげて笑った。