【短編】卒業ストーリー
そして・・・
卒業式、当日。
明日から先輩がみれなくなるなんて、考えられなかった。
明日もいつものように廊下ですれ違えるような気がした。
「とうとう、今日だね。ふみ。」
ちょっと悲しそうな目をした梓が言う。
「そうだね。実感わかないよ。ボタン、もらえるかなあ?」
「もらえるかな?じゃんくてっもらいに行くんだよっ!!」
強く言った後に、深呼吸をゆっくりとする。
「なんてね。うちもそんなこと言える立場じゃないんだ。」
「え?」
「ごめんね、ふみになかなか言い出せなくて。
うち、同じクラスの中田が好きなんだ。」
状況が理解できない。
中田くん・・・。
サッカー部の・・・?