愛しき人々
手をあげられた悔しさとショックは尾を引き、私は思いつく限りの罵声を浴びせるが、次男も負けてはいない。
さすがにもう手を出しては来ないが、実に小憎らしい理屈で攻めてくる。
悔しいが、口でももう彼には敵わないようだ。
こうなったら、負けるのを覚悟で殴りかかってやる。
力尽きる前にせめて痛恨の一発を…
あわやつかみ合い、の寸前に夫が帰宅、何事かと、興奮する二人をいともカンタンに引き離した。
双方我先にと、自分の正当さを訴える。
片や、化粧が半分はげて壮絶な顔となり、しゃくりあげながら意味の分からない繰事を言う化け物。
片や、憮然としながらも冷静に事の次第を順序立てて話す次男。
どちらから先に事情を聞くかは、瞬時に決まったようだ。
夫は部屋の隅に次男を誘い、二人でなにやらボソボソと話している。
さすがにもう手を出しては来ないが、実に小憎らしい理屈で攻めてくる。
悔しいが、口でももう彼には敵わないようだ。
こうなったら、負けるのを覚悟で殴りかかってやる。
力尽きる前にせめて痛恨の一発を…
あわやつかみ合い、の寸前に夫が帰宅、何事かと、興奮する二人をいともカンタンに引き離した。
双方我先にと、自分の正当さを訴える。
片や、化粧が半分はげて壮絶な顔となり、しゃくりあげながら意味の分からない繰事を言う化け物。
片や、憮然としながらも冷静に事の次第を順序立てて話す次男。
どちらから先に事情を聞くかは、瞬時に決まったようだ。
夫は部屋の隅に次男を誘い、二人でなにやらボソボソと話している。