キミに送る約束~空に向かって~
「わっわりー。」
入ってきたのは司くんだった
「うっうぅん!全然ッ!」
そう言い放ち慧の肩を押す
「兄貴、勝手に入ってくんなよな!」
「今出てくっつうの。お前から借りた漫画
返そうと思ったの。」
司くんは適当に本棚に漫画を置いた
そしてドアを開けて廊下まで出てから
振り向いて少し悲しそうな顔を見せた
「司くん.....?」
「二人上手くいってんだな。良かったじゃん。」
「へ─...?「じゃあ、心愛ゆっくりしてけよ。」
そう言って司くんはドアを閉めた
「司くん...何かあったの?」
「知らね。今度からは鍵かけとかなきゃなー。」
慧の頭の中にはそれしかないみたい。
「はあ─...」
呆れてため息がこぼれた。
「さっきの続き。」
「ちょっ.....んんっ......。」
重なる唇─......
でもあたしの頭の中も慧でいっぱいで
司くんのさっきの表情なんてすぐに
頭の中から消えてしまった─......