キミに送る約束~空に向かって~
「ねえ、それで慧はどう思う?」
「ん.....」
「ちょっと、聞いてるの?」
あの日から1週間が経っていた
あの日あたしはただ慧を抱きしめた
どんな言葉をかければよかったのかも
わからなかった
ただ慧には...生きてほしかったから
生き抜いてほしい.....
「ね、慧ってば」
「...ん?」
「じゃ、どうするの?」
わざと意地悪な質問をする
「.....わりー。聞いてなかった」
慧は、申し訳なさそうに言う
「はあ...最近の慧ずっとこうだよね。
いつまでもそうやって引きずんないでよ。
...前に進まなきゃ何も始まらないじゃん」
「言い過ぎた....」
あれからあたし達は、沈黙でお互い何も
話さなかった
腹が立ってあたしも何も言わず病室を後にして
こうして家まで帰ってきてしまった
「はあぁ.....」
ベッドに潜り込んで枕を叩く
─♪♯♭♭♯♪
急に鳴り出す携帯
「も~うっ!次は何よ!」
あたしは、床に落ちている携帯を拾って出る
「もしもしっ!?『心愛っ!?今慧と
一緒か!?」
司くんのあせった声が聞こえる