キミに送る約束~空に向かって~
「ううん。今家に帰って来たところ。
さっきまで一緒にいたけど...」
『慧が...慧がいねえんだよ!』
「っ!?えっ!?どっどいうこと?」
『慧...病院のどこ探してもいなくて...
携帯も病室に置いたまんまで
居場所すらわかんねえんだよ...』
「ハァッ...ハァッ...」
必死にあたしは、近所を走り回る
あさひ公園にも行ったし前の慧のバイト先だって
行った
慧の学校だって行った...
スーパーにもいった
だけどどこにも慧の姿はない
「いたっ!?」
病院にあたしと司くん、宗助くんと千尋が
集まる
千尋と宗助くんもわざわざ慧を探してくれている
「いない...誰も目撃してないよ...」
千尋がうつむきながら言う
「ったく...どこ行きやがったんだよアイツ」
宗助くんが石ころを蹴りながら言う
「あっ...あたしだ」
「え?」
みんなが声をそろえて言う
「あたしが...慧にキツいこと
言ったから......どうしよう!
慧見つかんなかったら.....」
あんな状態だもん...
もし倒れていたりしたら...
「心愛っ!落ち着けって!」
司くんがあたしの手首を両手でつかむ
気づかないうちにあたしの体は震えていた