キミに送る約束~空に向かって~

「なあ、梓。今まで来れなくてごめんな」


慧が梓ちゃんに話しかける


「次来る時は、ちゃんと花買ってくるから。
...あと俺お前と同級生になっちゃったよ」


慧は、笑いながら言う


「もう一年頑張って通って高校卒業する。
お前にも色々辛い思いさせてごめんな...
これからも...よろしく」


慧は、そう言って手を合わせる
つられてあたしも手を合わせる


梓ちゃん...あなたが愛した人だよ─...
最後まで...慧を守ってくれてありがとう。

梓ちゃんのこと...忘れないよ


「さ、行くか」


慧が立ち上がってあたしに手を差し出す


「行くって...どこに?」

「それも着いてからのお楽しみ♪」


そう言う慧は、さっきと違って表情が少し幼かった







「で...?家に帰るわけ?」


電車から降りて慧の後ろをついていくけど
帰り道と一緒じゃん

一体どこ行くのよ.....


「ほら、こっちこっち」


慧は、そう言って走っていく
あたしは、慌てて慧を追いかける


「ちょっと!走ったら危ないって!」


この間まで入院していたくせにどこからそんな
体力が湧き出てくるんだか...

慧が入っていった場所は、あさひ公園だった

慧は、ブランコに乗って漕ぎ出す


「ちょっとー!何しに来たのよー」
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