キミに送る約束~空に向かって~

何であんなに必死なんだろう...


「やっぱ...ねえのか.....」


慧は、肩を落としながら言う


「.....何よ、さっきまで絶対あるって
言ってたじゃん!ここまで頑張ったんだから
石油発見するくらい掘るわよ!」


あたしは、慧の隣に並んでまた掘り出す


「お前...諦めてたじゃんかよ」

「諦めてない!疲れてただけ!ほら、
ちゃんと掘って!」


それからずっと手を止めないで掘る
空が暗くなっているのにも気づかなかった


「やっぱ.....ねえよ」


慧は、スコップを投げる


「.....誰かにとられちゃったのかな」

「...暗いし帰るか」


慧が立ち上がる


「うん...」


最後に一度だけ土を掘ってみた

─カチン


「「え...?」」


ガラスのような瓶の音...


「今の音...「心愛!掘るぞ!」


慧がスコップで土をたたく
確かに何かが埋まっている音がする
固い土を必死に掘り起こして中から
大きな瓶を取り出す

水で汚れをあらって瓶の蓋を開けると
中から手紙が2つ出てきた


「これって.....」

「そうだ...俺達のタイムカプセルだ...」
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