キミに送る約束~空に向かって~

「本当に...埋まってたんだ...」


手紙には、平仮名で
【さとしへ】と【ここあへ】と幼い字で
書いてあった

慧は、【さとしへ】と書いた手紙を
開けようとする
慌ててあたしは、その手紙を奪う


「ちょっ、何すんだよ!」

「ままま待って!あたし...何て書いたか
全く覚えてないから見ないで!」

「はあ?そんなの俺だって何て書いたか
覚えてないしガキの頃のなんだから
良いだろー。だからさっさと返せよ」

「だだだだったら慧が書いた手紙ちょうだいよ!
慧だけ見るなんてずるい!」

「はあ!?ほとんど掘ったのは、俺なんだから
俺が先に見たっていいだろ!」

「なっ、タイムカプセル見つけたのは、
あたしなんだからあたしが先に見る!」

「うるせえ!お前は、黙ってろ!」

「やだーっ!」


手紙を持ってあたし達は、公園の中で追いかけあう


「ぎゃっ!」


慧が、あたしの手から手紙を奪う


「やーりーっ♪」


慧は、手紙を開いて読み出す


「ぎゃあああああーっ!」


あたしの悲鳴が響く

慧は、手紙を読み終えて呆れた顔をする


「何て...書いてあった?」


慧は、黙ってあたしに手紙を手渡す


【さとしへ。さとし、ここあのピンクの
クレヨン一本おったでしょ!
これからは、もうクレヨンかさないから!】


タイムカプセルの中には、折れたピンクの
クレヨンが一本入っていた


「.....くだらないね」
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