キミに送る約束~空に向かって~

「.....何年も待っていてこれか...」


慧は、口に手をあてて笑う

なんだか馬鹿にされている気分...


「何よー」と拗ねてあたしは、【ここあへ】と
書いた手紙を開こうとする

バッと慧は、手紙を奪う


「なっ、何すんの!?」

「なんて書いてあったか確認すんだよ!
お前は、あっち向いてろ」

「ずるい!あたしには、確認させて
くれなかったじゃん!」

「うるっせえ!くそみたいな内容だったから
いいだろ!」

「くそみたいな内容!?あたしあの時すっごい
腹立ったんだから!」


手紙の取り合いをしていると手紙の間から
何かが落ちてきた

あたしは、反射的にそれを拾う


「何...これ?」


そこにあったのは、おもちゃの指輪だった

ボーっとしている慧の手から手紙を抜く


「お前っ!」


手紙を開いて読む


【ここあが女子】


たった一言だけ小さな字で書いてあった


「あたしが...女子?」


意味がわからなくて慧に手紙を渡す
慧は、それを見て顔を真っ赤にして俯く


「え...どういう意味?あたし女だけど...」

「しっ知るか!///帰るぞ!」

「え、何で怒ってるの?」

「うるせえ、帰るぞ!」


急に機嫌の悪くなった慧

何よ、それ!勝手すぎ!
意味わかんない!
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