キミに送る約束~空に向かって~
そりゃあ...ほしいけど...
「ほら、もたもたしてたら取られるよ!」
千尋が女子の集団にあたしを思いっきり押した
あたしは、そのせいで色んな女の子と
ぶつかって転んだ
「いたたたた...すっすみません...」
起き上がろうとしたけど足が擦り剥いて
痛い
千尋のせいだ─っ!
「おい、大丈夫かよ」
「へ.....?」
見上げると慧がいた
『何よあれー!』
周りから顰蹙があがる
慧は、おかまいなしにあたしを立ち上がらせる
「第二ボタン...取られちまった」
「べっ別にそれがどうしたのよ...」
「ふっ、素直じゃねえな」
慧は、苦笑いを浮かべてあたしの頬に
わざとらしくリップ音をたてて
キスをする
『ぎゃぁあああああ─!』
周りの女子の悲鳴があがる
慧は、その中の女の子に手を出す
「悪いけどボタンは、予約が入っていたんだ。
返してくれる?」
「え...「返せっつってんだ。泥棒」
女の子は、嫌そうにボタンを慧に渡す
「ありがとう♪」
慧の王子様笑顔にみんな顔を赤くする
「はい。これ欲しかったんだろう?」
慧は、わざと大きな声であたしにボタンを渡す