キミに送る約束~空に向かって~
梓が箱からプリンを出して俺と心愛に
配った。
「はい♪心愛先輩はココア味♪」
「え?あ、ありがと。」
「残りは家族みんなで食べてくださいねっ♪」
「.....ごめんね。」
「いいえー♪いいんですっ♪あ、ねえ
そういえば慧くん「あーっ!」
俺は心愛の部屋の時計を見て思わず大きな
声をあげた。
「どっどうしたの?」
隣の梓は俺の声に驚いたのか少し青い顔を
見せた。
「俺...ちょっとこの後用事あるんだった...。」
そう言って梓にバレないようにそっと心愛に
目を合わせて頷く。
心愛も思いだしたかのように頷いた。
「え?用事?さっきそんなこと言ってなかったじゃん。」
「悪ぃな。梓。俺、家帰ってから寄んなきゃいけねえ
場所あるんだよ。今日は悪いけど送れねえや。
俺帰るから梓は心愛の家でいな。
じゃあ.....心愛。」
「うん。わざわざありがとう。」
そう言って俺は心愛の部屋から足を1歩出した。
「まっ待って!」
梓があせったように立ち上がる。
「きっ気をつけて帰ってね?」
「分かってるよ。俺だってそこまで馬鹿じゃねえし。」
「うん.....また、明日.....。」
「ああ。明日。」
そう言って俺はドアを閉めた。