キミに送る約束~空に向かって~
そして急ぎ足で隣の自分の家へ戻る。
もう車のエンジンはついていて
母さんは出かける用意は出来ていた。
「慧!遅かったじゃない!
どこ行ってたのよー。もう時間ないから
早く行くわよ!」
「ああ。すまん。心愛具合悪いみたいだったから
ちょっと見舞い行ってた。」
「あら、大丈夫なの?心愛ちゃん。」
「大丈夫そうだったよ。」
そう言って俺は階段をのぼる。
1階からは母さんのうるさい声が聞こえる。
それを無視して俺は、朝用意しておいた
服に着替えてまた下に下りる。
「早く乗りなさい!」
助手席に乗りシートベルトをした途端
車が動き出す。
「...母さん、別に大丈夫だって。」
母さんがハンドルを持つ手は小刻みに
震えていた。
「...分かってるわよ。」
母さんの声も震えていた。
そのたび俺の胸が痛くなる。
罪悪感...っていうんだろうか。
こんなときどんな言葉をかければいいのかも
分からないガキな俺はただ
車が進む道をずっと見ていた。
─────.....
「神楽さん。どうぞ。」
看護師さんに案内されて俺と母さんは
診察室に入る。
ここは...俺が小さい頃から通っている
病院。