PERFECT 勇気の花
ガラッ…
扉を開ける。
「遅いよ……前、殺し損ねたからね……死なない程度にいじめてあげる。」
体が震える。
その時。
「涼子ちゃん!!」
「侑くん!?」
その瞬間、後ろから抑えられた…なんで、ここが……
来ちゃだめ……来ちゃだめ…
「来ちゃだめぇー!」
叫んだのも虚しく。
ビリっとスタンガンの音で侑くんが、倒れる。
「こいつ……どうする?」
「や……やめて…っ!」
誰かに口にガムテープを貼られた。
「まあ、その辺に縛っとけば!起きたら困るから、睡眠剤飲まして。」
その言葉で、倉庫の奥の方に、侑くんは連れていかれた。
私はそれとは反対方向に連れていかれ、手足を大の字になる様に立たされ縛られた。
「んー!んー!」
いくら叫んでも言葉には、鳴らない。
「今日は、これで遊ぼうね!」
ニヤッと笑みを浮かべ、何かを仲間から受け取る。
ゴトッ
「バット!わかる?」
笑が起こる。
「お前は、今からサンドバッグ。20人やり終わったら終わり。」
20人……絶対無理だ…
「一番行きまーす!」
誰かがバットを構える。
バッターのポーズをする。
その瞬間。
「うっ!!!!!!!!」
凄まじい痛みが体を襲う。


20分後。
「俺で最後だよ~」
いかにも体格のいい男の子だ。
「ほら、前向けよ!」
バットで、顎を突き、顔を上げさせられる。
痛い……
「うっ…」
もう、ガムテープは、外して貰って自由に喋れる。だけど声が出ない。
「大丈夫。一切顔には傷つけないから。」
誰かが言った。
ホッとしていると。
「うっ!!!!!!はぁ……はぁ…」
バットが容赦なくお腹に当たる。
「こいつ、野球部なんだよ、残念でした~」
っと、笑う声が聞こえる。
もう、意識が飛びそうだ。
「あーあ、もうだめ?今日これも持ってきてんだけど。」
その手にはナイフが握られていた。
「や…め…て…?はぁ…はぁ…」
最後の力を振り絞る。
「外して。」
その声で紐が解かれ、地面に倒れこむ。
ぐいっ!
っと、左腕を引っ張られた。
「ここに、山田って掘ってやるよ。」
!!!!!!!
「やめて……お願い。」
その言葉も虚しく左腕に激痛が走る。
「ああーっ!」
痛みに、歯を食いしばる。


全て掘り終わったのか、皆が出て行った。
侑くんも、連れていかれた。
口止めだけで終わるといいな。
何よりも侑くんが、心配だった。
いつも持ち歩いている、包帯を腕に巻き和也さんたちに、ばれない様に家に帰ることにした。
幸、女の子の方が多くて、そこまで、お腹は痛くない。
小走りで家に向かう。
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