未送信BOXの憂鬱
「……、マキちゃんか……」
慌てて開いた新着メールの差出人は、サークル仲間のマキちゃんだった。
……そりゃ、そうよね。
ちょっと思い返したくらいじゃ、ドラマでも映画でもないこの“リアルタイム”に、ありえない。
マキちゃんからの明日のランチのお誘いメールに、OKの返事を送り、私は再びケータイを見つめる。
『楽しくてしょうがないよ
理奈との会話もメールも。』
―… 会話だけで、よかったのに
『今度はいつ会える?』
―… 今度、って何?
『何でいつも理奈から
メールしてくれないの?』
見つめるだけでひしひしと伝わる、あの人の文字。
保護してあった記念日メールも、全て消してしまったのに。