未送信BOXの憂鬱



『理奈、すっげー好き』

『……うん…』

『理奈は?』

『……嫌いじゃなかったら、付き合わないでしょ』

『バカだな』


バカね、ほんとに。

なんで今更、泣かなくちゃいけないのよ。


いつの間にか握り締めていたケータイ。

思い切り投げようと思い、手を振りかざした。


でも、やめた。

逢いたい気持ちの方が大きい事を再確認したから。


唯一お揃いで買った、ベージュのストラップがキラキラと揺れた。


< 8 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop