Kissしてダーリン[短篇]
すぐに作り笑いを浮かべ、リビングに戻る。
「あ、敦、ご飯は?」
「あー…食ってきた。」
リビングに用意されたハンバーグは食べられることなくラップをかけられた。
なんで…
なんで…
中村先生?
…敦は中村先生が好きなのかなあ?
「ヒクッ…」
涙が頬を伝った。
ゴシゴシと涙を拭き、敦のいる寝室へとゆっくり向かう。
ドアに手をかける。
「〜…」
話し声?
ドアを開けようとした手を止め、耳を澄ます。
「中村…」
微かに聞こえた中村という名前。
相手は中村先生?
ガクガクと足が震えた。
「…〜、好きだ」
…え?
す、好き?
「…中村先生が、好き?」
私の中で何かが崩れた。