Kissしてダーリン[短篇]
こんな時間に来るなんて、教材のセールスに決まってる。
「はぁー、敦と一回も話さないの、今日がはじめてかも。」
私ってかなり敦に依存していたみたい。
1日話さないだけで、こんなにも胸が痛い。
…敦欠乏症だな。
もし、別れたら私どうなるんだろう?
生きていけるの?
シーンとした部屋。
テレビを見る気もしなくて静まり返った部屋。
なんだか無性に寂しかった。
「…真央!早く降りてきなさい!」
そんな部屋にお母さんの叫び声が響く。
「な、何!?」
いきなりの大音量に肩がビクっとした。
もう夕飯?
そんな分けない。
だって、さっきまで何にも用意していなかったんだから。
じゃあ、何?
重い体を起き上がらせ、下へと向う。