Kissしてダーリン[短篇]
「…不安にさせてごめん」
躊躇いがちに頬に手が触れた。
今度は大人しくその手を受け入れる。
「…頼むから俺の傍にいて。」
「敦…」
頬の手がゆっくり離れ、変わりに敦の顔が近づいてくる。
それに合わせ、閉じる瞼。
「んっ…」
甘い、優しいキスが私に落ちる。
「敦、好き…」
「ったりめーだろーが」
毎日着るスーツがビショビショに濡れる。
「敦ー…スーツがぁ…」
「別いいよ、真央が洗濯してくれるんだろ?」
当たり前かのように敦が言うからなんだか嬉しくなった。
「…このまま連れて帰りてぇ」
「…うん」
掴まれた肩を離そうとしない敦に笑顔が漏れた。
「笑うなし。」
ムっとした顔。