Kissしてダーリン[短篇]
「先生ーっ!」
「遅いよー」
「あたし、先生のために早く来ちゃった!」
敦の姿が見えた瞬間、群がるクラスの女子。
「うわ…すごいね、真央。」
「……うん。」
敦はこの学校で一番若い先生。
しかも顔良し、ときたら女子生徒は黙っていない。…いや、女子教師も黙っていない。
私は遠くからその様子を見つめる。
女の子が敦の腕を掴む。
ズキっ
「痛い…」
「は!?お腹でも痛いの?」
違う…
胸の奥が凄く痛い。
見ていられなくて視線を黒板に向ける。
「分かったから、お前らさっさと席着けよ。」
「「は~い」」