悠久の祈り -春宵夢想-


「泣かないでください、義姉上。せっかくのお化粧が台なしになってしまいますよ」




夏依さんは苦笑すると、袖で私の涙を拭ってくれる。




「ありがとう、二人共」




「お礼は後にして、早く着替えましょう」




私は夏依さんに促され、白無垢に袖を通した。




七重さんは手早く着付けを終えると、私の肩を叩いた。






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