悠久の祈り -春宵夢想-


「義兄上にちゃんと伝えてあげてくださいね」




「う、うん…」




涼は彼女に肩を叩かれ、俺の方に歩み寄って来た。




何を伝えるんだ…?




俺は不思議に思いながら、じっと涼を見つめていた。




「歳三さん、耳を貸してください」




俺は涼の方に耳を向けた。




涼は少し背伸びをすると、声が漏れないように両手で俺の耳を囲い、耳打ちして来た。








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