悠久の祈り -春宵夢想-
俺はしばらく呆気を取られていた。
『これからも幸せにしてくださいね、私とこの子を…』
さっき涼に耳打ちされた言葉。
いつかは涼との子供が欲しいと思っていた。
でも、こんなにも早く叶うとは思っても見なかった。
俺は涼を抱き寄せた。
強く…、それで彼女を労るように優しく抱き包む。
涼も俺の背中に手を回した。
俺達はそれからしばらく抱き合っていた。
互いの幸せを感じ取るように――。