悠久の祈り -春宵夢想-
「どうかしましたか、歳三さん?」
「いや、何でもない。それより、明日は愁ん家に行くんだよな?」
「はい!だから、今日は明日に備えて早く寝るつもりです」
備えるとか…、別に遠出する訳じゃねぇのに…。
子供のようにはしゃぐ涼の姿に頬が緩んだ。
「そうだな。よし、帰るぞ」
涼の俺の言葉に頷くと、握っている俺の手を握り返して来た。
俺は小さく笑うと、涼の小さな手をしっかりと握り、家路に着くのだった。