悠久の祈り -春宵夢想-


「やっぱり、お前には桜色が似合うな」




この色にして正解だったぜ、と彼は笑みを浮かべていた。




「似合わないんじゃないんですか?」




「馬鹿。お前に似合わない物をわざわざ俺が買うと思うか?」




コツンと頭を小突かれる。




「痛っ。…思わないです」




「だろう?だから、お前はもう少し自分に自信を持てよ…」




すると、彼は小突いた手を私の背中に回し、顔を寄せて来た。





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