悠久の祈り -春宵夢想-


「白…?」




「そうだ。汚れを取れば、何でも白になれんだよ」




洗濯物がそうだろ?と彼は続けた。




確かに洗濯物は洗えば、綺麗になるけど…。




私の汚れはそんな風に綺麗になれるはずがない。




「それに、お前は汚れてなんかいねぇよ。過去がどうであろうと、今の涼は何の汚れも知らない普通の女だ」




そんなはずがない。




だって、私は――。






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