鈍感王子にご注意を
*+。第一章。+*恵美&誠
「恵美ちゃああーん♪」
「まっ誠くんっ!?」
私達のデートの待ち合わせ場所。
必ず誠くんがプレゼントを持って
待ち合わせ場所で私に抱きつく。
それがお決まり。
抱きつかれなきゃデートが
はじまらないようなきがする。
「はいっ、ケーキ買って来たよ♪」
「えっとー...これから映画だよ?」
「あ゛...そうだった...。
恵美ちゃんが好きなモンブランが
あったから...つい買ってきちゃった。」
舌を出しながら笑う誠くん。
つい私も笑顔になっちゃう。
「したら今日は、予定変更♪
私の家行って食べよ。」
「えっ!?でも恵美ちゃんこの映画
すっごい楽しみにしてたじゃん...。」
「ううん。誠くんとケーキ食べるほうが
ずっと楽しいから。」
私は誠くんの持っているケーキの箱を
取り上げた。
「最近家来てくれてなかったでしょ?
ほら、早くいこ♪」
私が歩き出すと誠くんが「あ!」
と声をあげた。
「...何?」
「恵美ちゃん。だめでしょー。」
誠くんがあまった私の手を握った。
「っっ///」
「ほら、早く行かなきゃ。」
誠くんは私の手をぎゅっと握ったまま
走り出した。
「まっ誠くん...ちょっとストーップ!」
「どうしたの?」
誠くんは、手を握ったまま止まった。
「わっ...私...今日は...ヒール...
はいて...て...走れない.....。」
息が苦しいのをこらえて私は誠くんに
事情を説明した。
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