鈍感王子にご注意を
恵美ちゃんとはだいぶ長い付き合い。
この出会いは...一生大切にしたい。
─ピンポーン
震える手でボタンを押した。
「はーい......誠くん?」
恵美ちゃんはドアを半分開けて
俺を見ていた。
「あっ...そっその...いっ今
部屋あがってもいい?」
恵美ちゃんは頷いた。
─────
「座ってて。」
恵美ちゃんはいつもよりつめたく言う。
俺は言われた通りソファに座った。
俺の部屋とは全然違って綺麗に
整えられた部屋。
この間来た時より綺麗。
掃除でもしたのだろう。
「はい。紅茶だけど。」
恵美ちゃんは俺に紅茶を渡した。
「ありがと。」
「......」
「......」
静かな部屋。
コップと皿がぶつかる音が時々聞こえる。
いきなり来て迷惑だっただろうか...
「恵美...ちゃん。あのさ...この間は
ごめん。」
「え?」
「...本当はすっげえ可愛かったし
似合ってた。」
「っっ///」