鈍感王子にご注意を

恵美ちゃんとはだいぶ長い付き合い。
この出会いは...一生大切にしたい。

─ピンポーン

震える手でボタンを押した。

「はーい......誠くん?」

恵美ちゃんはドアを半分開けて
俺を見ていた。

「あっ...そっその...いっ今
部屋あがってもいい?」

恵美ちゃんは頷いた。



─────

「座ってて。」

恵美ちゃんはいつもよりつめたく言う。
俺は言われた通りソファに座った。

俺の部屋とは全然違って綺麗に
整えられた部屋。
この間来た時より綺麗。
掃除でもしたのだろう。

「はい。紅茶だけど。」

恵美ちゃんは俺に紅茶を渡した。

「ありがと。」

「......」

「......」

静かな部屋。
コップと皿がぶつかる音が時々聞こえる。

いきなり来て迷惑だっただろうか...

「恵美...ちゃん。あのさ...この間は
ごめん。」

「え?」

「...本当はすっげえ可愛かったし
似合ってた。」

「っっ///」
< 24 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop