鈍感王子にご注意を
和也Side
受話器から聞こえるのはただ携帯が
切れた音だけだった。
「はあー。」
俺はカレンダーを見つめる。
やっぱまだ届いてねえのか...。
俺は1年記念だから玲奈にヘアクリップを
送った。
キラキラしたストーンがついていて
玲奈がすきそうだった。
届くまでバレたくねえから今日を
忘れたフリをしている。
さすがに玲奈も不安になるか...。
俺が忘れていると思っているんだし。
でも絶対にバレるわけにゃ
いかねえんだよな。
「あーあ。」
俺はため息をつきながらベッドに
寝転がった。
─♪♯♭♪♯♯
急に鳴り出す携帯。
玲奈からかと思ってディスプレイを見る。
けど.......
【安美】
「はぁ.....。もしもし?」
安美ことクラスメイト。
転校初日からしつこかった女。
『和也ー?今から暇ー?』
「暇じゃねえから。じゃっ『まっ待って!
いいこと教えてあげようと思って♪』
「んだよ...。」
『大倉......玲奈。』
っ!?